第73回ムジカーザコンサート : 館野泉&谷川賢作
長くフィンランドに住んでいらした舘野泉さんは、日本と北欧5カ国をはじめ世界各国で3000回以上のコンサートを行い、その温かく人間味あふれる演奏によって聴衆に深い感動を与え続けていらっしゃいます。01年に脳溢血で倒れ右半身不随となり、2年半に及ぶ苦闘の日々を不屈の精神でのりきって、04年左手による演奏会で見事に復帰されました。共演者は06年にも出演していただいた作曲家・ピアニストの谷川賢作さん。孤高の鍵盤詩人から紡ぎだされる純度の高い、透明感溢れる抒情的な音楽は聴く人の心に忘れがたい刻印を残すことでしょう。
第74回ムジカーザコンサート : 想いは遥かシルクロードへ...
今年の珍しい楽器は揚琴です。この楽器の歴史は古く、10世紀頃イランで発祥した楽器「サントゥール」が、西はヨーロッパでツィンバロンやピアノへと発展し、東へは17世紀にシルクロードをわたり中国に伝来、現在の「揚琴」となりました。台形型の木の箱の共鳴胴の上に150本以上の弦が張ってある打弦楽器で専用の竹製のバチで音を出します。速く細かいパッセージの曲からトレモロを用いて旋律をうたう曲など、幅広い表現力を持つ楽器の魅力を張林さんと3人の素晴らしい共演者による心暖まる演奏でお楽しみください。想いは遥かシルクロードへ...
第75回ムジカーザコンサート : アリスタ・トリオ
ウィーンで活躍するピアニストの鳥羽泰子さんと、二人のウィーンフィルメンバーによる「アリスタ・トリオ」はモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを得意とし、1999年の結成以来日本とヨーロッパを活動拠点に演奏活動を行なっています。プログラムはベートーヴェンの「大公」とモーツァルト、ショスタコーヴィチ、ブラームス、リストの小品を演奏していただきます。正統的なプログラムを伝統に裏打ちされた音色とともにお楽しみください。
第76回ムジカーザコンサート : ローラン・テシュネ プロデュースシリーズ I
2008年からの新しいプロデューサーはチェンバロのテシュネさん。パリ国立高等音楽院を一等賞を得て卒業後、チェンバロ奏者・ピアノ伴奏者として活躍。東京藝術大学准教授、桐朋学園大学講師として教育活動にも力を注いでいらっしゃいます。その素晴らしい演奏と観るもの聴くものをアッと言わせる企画は07年のコンサートですでに実証済みです。これからの刺激的な4年間をお楽しみに。
第77回ムジカーザコンサート : フルートとハープの夕べ
深みがあって魂をゆさぶられるような音楽が魅力のフル~トの佐久間由美子さんと、優美なフォルムとノーブルな音色が魅力の吉野直子さんとのスーパーデュオ!
佐久間さんは83年ランパル国際コンクール第1位、吉野さんは85年第9回イスラエル国際ハープ・コンクールに参加者中最年少の17歳で優勝という輝かしい経歴をお持ちのお二人の演奏は、生き生きとした輝きの中に音楽に対する真摯な姿勢と優しさが溢れています。
第78回ムジカーザコンサート : 交響曲「大地の歌」《室内楽版》
マーラーが作曲した実質9番目の交響曲となる『大地の歌』。しかし交響曲第9番としなかったのは、ベートーヴェンもブルックナーもドヴォルザークも、みんな9番まで書いて亡くなったという、いわゆる第9のジンクスに怯えたためといわれています。東洋的な美と厭世観が漂う、死を予感し始めたマーラー晩年の心境を示す傑作を、2人の歌い手と13人の奏者(ミューゼシードメンバー)による室内楽版で聴いていただきます。